遺言による相続について

遺言には、自筆証書遺言、公正証書による遺言、秘密証書遺言等さまざまな形式があり、その要式を満たしていなければ遺言としての効力はありません。

遺言に基づいて相続登記を行う場合、遺言の形式により手続きが変わってきます。

 自筆証書遺言及び秘密証書遺言の場合

(1)遺言書の存在が分かった場合、管轄の家庭裁判所において検認手続きをする必要があります。
 検認とは,遺言者の相続人全員に対して、遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。

検認手続きの申立ては、遺言者の住所地の管轄家庭裁判所で行います。

 検認手続きには、相続登記と同様、遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本と、相続人全員の戸籍謄本が必要となりますので、役所で取られる際は、予め各2通以上ご取得下さい。


(2)検認手続きが終了した後、当該遺言書と戸籍謄本等必要書類を揃え、相続登記申請を行います。


 公正証書遺言の場合
 
検認手続きは必要ありませんので、以下の書類を揃え、相続登記申請を行うことになります。
 遺言者が死亡した旨の記載がある戸籍(または除籍)謄本
 遺言者の住民票の除票
 相続人の戸籍謄本(又は抄本)
 相続人の住民票
 遺言書
 固定資産税課税証明書(評価証明書)

遺言者 ○野太郎は、この遺言書により、次のとおり遺言する。

一 遺言者の妻○野花子に、次の土地建物及び預貯金その他家具動産等一式を相続させる。
1 所  在   大阪市西区江戸堀一丁目
  地  番   ○○番
  地  目   宅地
  地  積   123.45u
2 所  在   大阪市西区江戸堀一丁目23番地
  家屋番号  ○○番
  種  類   居宅
  構  造   木造瓦葺2階建
  床 面 積   1階   55.34u
           2階   55.34u
3 大阪○○銀行江戸堀支店 普通預金 口座番号1234567の全部

二 この遺言の遺言執行者に次のものを指定する。
  住所  大阪市西区江戸堀一丁目23番26号
  氏名  ○木 次郎  (昭和○年○月○日 生)

平成○年○月○日

本 籍   大阪市西区江戸堀一丁目○番
住 所   大阪市西区江戸堀一丁目○番○号
       遺言者   ○  野  太  郎    印


遺言と遺留分

 被相続人の妻や子供は、法定相続分の2分の1が遺留分として存在しますので、遺言書による財産分配をした結果遺留分を侵害する場合、遺留分減殺請求をされる可能性があります。遺言書どおりの相続登記をすることは可能ですが、財産が不動産しかなく、現金等で精算が出来ない場合、遺留分減殺により不動産の一定持分を移転させる必要があります。